

Vol.15
患者の「人生」に寄り添う
地域医療の醍醐味とは?
総合診療・家庭診療に関心を持ち、さまざまな病院で研修を重ねた後、現在は京丹後市立弥栄病院に勤務する大阿久先生。地域を愛し、地域での総合診療や在宅医療に情熱を傾ける大阿久先生に、地域医療の現状や医師としてのやりがいを語っていただきました。
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大阿久 達郎 先生
京丹後市立弥栄病院 内科医長
Profile
大阪府出身
自然豊かな田舎が好きで、妻と2人の子供が生まれた弥栄病院で勤務。
●総合内科専門医
●消化器内視鏡専門医、消化器病専門医
●プライマリケア認定医・指導医
●気象予報士
1週間のスケジュール
- 月曜
- 午前:病棟勤務、午後:発熱外来や救急当番
- 火曜
- 午前:病棟勤務、午後:内視鏡検査
- 水曜
- 午前:病棟勤務、午後:訪問診療
- 木曜
- 午前:内視鏡検査、午後:院外研修、文献検索など
- 金曜
- 外来診療
そのほか、緊急の往診などが入ることもある
大阿久 達郎 先生
京丹後市立弥栄病院
内科医長
Profile
大阪府出身
自然豊かな田舎が好きで、妻と2人の子供が生まれた弥栄病院で勤務。
●総合内科専門医
●消化器内視鏡専門医、
消化器病専門医
●プライマリケア認定医・指導医
●気象予報士
1週間のスケジュール
- 月曜
- 午前:病棟勤務、午後:発熱外来や救急当番
- 火曜
- 午前:病棟勤務、午後:内視鏡検査
- 水曜
- 午前:病棟勤務、午後:訪問診療
- 木曜
- 午前:内視鏡検査、午後:院外研修、文献検索など
- 金曜
- 外来診療
そのほか、緊急の往診などが入ることもある

総合医療・家庭診療に関心を持つ
幼稚園のお絵描きで天気図を書くほどの天気好きで気象予報官を目指していましたが、数式と向き合うよりも人と向き合いながら社会に貢献できる仕事がしたいと思い、医師を志しました。
大学時代は内科系を志望。中でも糖尿病内科に関心を持っていました。総合診療や家庭診療について知ったのは、国家試験が終わった後です。総合診療を行っている病院に見学に行き、興味を深めました。大阪育ちながら田舎が好きで、都市部よりも地域で医療に携わりたいという思いが芽生えたのもこの頃です。
卒業後はたすきがけ研修で、大学病院と地域中核病院で1年ずつ経験を積みました。地域への思いが確かなものになったのが、地域医療研修で長崎県の離島に赴いた時でした。美しい景色、そして医療と生活が密接に関わる環境は、私にとって非常に魅力的でした。忘れられないのが、不安定狭心症で危険な状態にも関わらず、「稲刈りがあるから、どうしても家に帰る」と言って聞かない患者さんを担当したことです。その時は「生きねば、米も食えんではないか」と説得しましたが、患者さんの生活や仕事、これまで歩んできた人生を尊重しながら治療する。そんな仕事をしたいと強く思いました。
研修終了後は、京都府の総合診療医育成コースに入り、洛和会音羽病院と京丹後市立久美浜病院で研鑽を積みました。
音羽病院では全国から集まった優秀な同期に圧倒され、ついていくのがやっとでした。そこで学んだことが今でも診療のベースとなっています。研修医時代モヤモヤしていたものが本当のEBMに触れることでモヤモヤが晴れていったような感じで、しんどい中でも充実していました。
久美浜病院では音羽病院で学んだことを、医師が多くない環境で自らが実践していく場となりました。そこで出会った指導医が知識はもちろん、PCIからERCPまでこなすすごい方でした。それだけできたら傲慢になりそうなものですが、そんな態度は一切なく、それらのスキルも地域の患者さんのために、時間がない中で大きな病院まで行って研修をして学んだものということに非常に感銘を受けました。
そういう指導医のもとで学んだこともあり、地域医療により貢献するため、知識だけでなくスキルを身につけたくなり、医師一人でもある程度できて丹後地域でのニーズも高い内視鏡を学びたいと思いを持つようになりました。また在宅医療は高齢化社会において重要度は増しており、あらためて体系的に学んで、自らが教育できるようになりたいという思いも持ちました。そこで後期研修後、3年間、都市部の病院に勤務し、内視鏡を中心にスキルを磨きました。さらに約1年半、市中の病院で家庭医療・在宅医療についても体系的に学んだ後、念願だった京丹後に戻ってきました。
地域医療のやりがいを実感
丹後にやってきて最初に驚いたのは言葉の違いです。105歳の女性が「たばこする」とおっしゃったのでびっくりしたら、これは休憩するという意味だったんです。他にも「フイフイする」と聞いたことがない症状があったり、診断に苦労したことがあります。
近所のショッピングセンターに行けば、必ず知っている人を見かけますが、そういうところだからこそ、患者さんの生活環境もわかりやすく、診療に役立つこともしばしばあります。
現在は総合診療のほか、培った技術を生かした内視鏡治療、さらに在宅医療などに幅広く関わり、充実した日々を送っています。北部地域には高度先進医療を受けるのは難しいという課題はありますが、都市部と比べて医療レベルが劣っているとは思いません。
地域医療の醍醐味は、救急外来から入院診療、在宅診療、さらに看取りまで、一貫して患者さんに関われるところです。ある時、救急外来に運び込まれてきた患者さんがいました。がんで重篤な状態でしたが、「孫がいる自宅にどうしても帰りたい」と言う患者さんの思いを聞いて、私だけでなく訪問看護師をはじめ多職種が連携して知恵を絞り、在宅で看る体制を整えました。その後、ご自宅でその方らしく過ごし、ご家族に囲まれて亡くなるまで見届けることができました。
治療は決して教科書通りにはいきません。医師として病気に立ち向かうのは当然ですが、患者さんやご家族の生活や環境、思いに心を配り、「人生に伴走する」ことが大切だと思っています。長期にわたるおつきあいを通じて築いた患者さんとの信頼関係は特別なものです。患者さんやご家族の信頼を得て、納得していただける医療を提供できた時には、大きなやりがいを感じます。


僻地は真の総合医療力を磨ける場所
「京都府医師会若手医師ワーキンググループ」に参画し、研修医教育に携わることもやりがいの一つです。自分自身が理解していなければ、他の人に教えることなどできません。そのため教えることが自分にとっても学びになっています。また所属や学閥を越えて集まったグループのメンバーは、教育熱心であるだけでなく医師としても優秀で、いつも刺激を受けています。
医師として真の総合医療力を磨ける場所が、僻地にはあると私は思っています。一人ひとりの背景を把握し、バランスを意識しながら目の前の患者さんを最大限幸福にする。その信念でやってきました。こうした環境に身を置き、培ってきた技術や知識をフルに生かして医療に取り組むことが、医師としての成長につながります。私自身知識をブラッシュアップしながら、今以上に幅広く診療できる医師を目指していきます。



地域医療でプライマリ・ケアを磨く
京都府北部の2市2町で構成される丹後医療圏の北東部に位置し、京丹後市域の主に東部地域を診療圏としています。当診療圏には、開業医・診療所等が極めて少なく、当院は地域住民のかかりつけ医としての役割を果たしながら、急性期医療から回復期医療、さらに在宅医療まで提供する役割を担っています。
当院では、様々な職種の病院スタッフと連携しながら一般外来研修や入院患者管理、救急患者対応のみならず訪問診療に至るまで幅広い分野における地域医療の経験を積むことができます。




新研修医総合オリエンテーションを開催!

令和6年4月6日に新研修医総合オリエンテーションをオンラインで開催しました。初期研修に必要な「3 skills for Resident」をテーマに、コミュニケーション力・検索力・チームワーク力の大切さを学びました。グループワークでは、役割分担をしたり検索ツールを使用したりなど、グループがそれぞれ工夫を凝らしながらKMA.comサイトに出題される臨床クイズに取り組みました。
今回、グループワークに使用したKMA.com には研修医向けの研修会の情報や申込フォーム、マニュアルや読みものや動画コンテンツ、医賠責や医師年金の情報など役立つ情報がたくさんあります!ぜひ、サイトをのぞいてください。
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